ババロア

誰とでもどこにでも行けそうな、誰ともどこにも行けなさそうな、不思議な気持ちになる週末だった。週末ってなんでこんなに心が休まらないのかな。それはでも決して嫌なことではない。平日には得られない心の動きが土日にまとめてどさっと降ってくる。疲れる、、でも充実感はある。

働き始めてからの私には、「焦り」が最大の敵だ。仕事においても人間関係においても。自分の生活においても。放っておくと、しなきゃいけない、こうであるべきだがどんどん増えてしまうので、それを一つずつ潰していく作業に翻弄される。何も、誰も、きっとすぐには無くならない。私がいるところから遠く離れてしまっても、多分そんなにすぐ消えてしまうことはない。すぐ失敗に直結するわけではない。だから、今日1日うまくいかなくったって、そう簡単には人生終わらないし、もー疲れたからぜーんぶ明日に後回しにしちゃう!!っていうんでも全然いいのかもしれない。

彼氏と東京ビッグサイトに展示会を見に行って、その後うちに遊びに来る予定だったのに、寝不足と暑さのせいで、ごめんやっぱり帰りたいって言われた。私はそれがどうしても許せなくて、不機嫌な態度を取ってしまって、そしたら彼氏に、俺はやるための道具じゃないって言われてしまった。そんなこと言われて、私はすごく悲しかったけど、そんなことを言わせてしまう私は最低な人間だと思った。なんか、ほんと生きてていいのかなレベルで落ち込んだ。その後彼氏はその発言を後悔したみたいで、何回も謝ってくれた。ごめん、そんなこと思ったこと1回も無かったけど、イライラしてつい言ってしまった、って。世の中の同棲してないカップルは、一体どうやって関係を保っているのか不思議に思った。恋人ってなんなんだろう。もっとドライで、彼氏以外にも話せる友達がたくさんいればいいのかな。もっと一緒にいたい気持ちを素直に言っただけでメンヘラ扱いされたら溜まったもんじゃないなと思った。難しい。一緒にいたいっていう気持ちの伝え方が難しい。

それでも私は、土曜日に会ったいとこ夫婦よりも、私たちの方がずっと仲良しだし、ずっと幸せだと思う。私にとっては母も彼氏も自慢の家族なのに、なんでその2人といつもうまくいかなくなってしまうんだろう。こんなに好きで、頼りにしていて、心の拠り所にしているのに、どうして。ごめんね。どうしようもない大人になってしまったね。エピソードを知ってるだけで、色々あったの知ってるからって、当事者ヅラされるのは耐えられなかった。その背景に、何十時間も、何年間も、悲しい記憶ややり切れなかった思い出が山のように積まれていることを、あの人たちは一生気がつかない。どうでもいい。どうでもいいけど、私の大事な人を善意の形をした何か別のもので傷つけようとするのだけは許さない。

今日はそれでもちゃんと、それぞれと仲直りができて、彼氏とは蒙古タンメンを一緒に食べて、また金曜日に会おうねって言って別れた。辛いものはいいね。これまで蒙古タンメンの辛さにどれだけの人が救われたか、今日は特にすごく美味しく感じたよ。帰ってきてポストを開けたら、あんまんまんのレシピ本が届いていた。料理に対するやる気を出したくて、買ったんだ。また一つずつ、悲しいことや疲れのせいで飛び散った生活を営むことに対する熱意を、思い出していくだけだ。明日はまた月曜日、寝れるかわかんないけど、とりあえず洗濯物を干す。