天使の居留守

晴れていたら手ぶらで歩いて、雨が降ったら傘を差して、そういうふうに生きていきたいと思った矢先、風邪を引いた。時間と人の気分はコントロール不能になった、でもそれ以外はその二つ以外はどうにでもなるんだって、その歌詞の意味は高校生の頃からわかっていたつもりになっていたけど、24歳になった今、やっとその言葉を素直に受け入れて生きていける気がした。

冬になると雪国の人間はみんな短気になる。私はそれが大嫌いで、だから冬も嫌いだった。みんなイライラしている。駅員さんも街の人も、家族も。冬が好きっていう人はどうせ南国生まれで、雪が積もった東北に都合よく来て、おいしいとこだけ味わってさっさと帰ってしまう最低の輩だと思ってたけど、そもそも観光ってそういうものだよなーって今は思う。

1日部屋で過ごしていると、向かいのアパートを照らす太陽の光の色が確実に変わっていくのがよくわかる。カラスの声は15:00になるともう際立って聞こえてきて、秋の終わりが近づいている。私は体がだるいので、今日は12:00過ぎ頃起きて、昨日彼氏が買ってきてくれた黒糖ロールとヨーグルトと、前から買っておいた苺大福を食べる。でもあと2回食事を摂らないと、2回分の薬が飲めないので、赤いきつね緑のたぬきを食べようかなーと思っているところだ。その辺の草とか虫とか食べて生きていけたらどんなに楽だろう、だって猫はコンビニ行かなくても生きていけてるのにね。

私にとっての安定とは、自分が自分を受け入れることだとようやくわかった。特に就職してからの約半年は、自分を否定し続けて死にたくなって、それはある意味自殺行為に過ぎなくて。それでうまくいかなかったから、これからは自分の生活丸ごと、自分で花マルをつけてあげたいと思った。そう思ったら、ビデオの録画データがサブカルばっかりだったり、人に見せられないようなものばっかりだったり、どうしようもなく好きなひねくれた音楽とか、それらがより一層愛しくなった。世の中、真理をとけばみんなが振り返ると思いきや、大森靖子も挫・人間も全然売れ線じゃないし、意外とみんな頑固だ。だったら私も、Mステで流れてくる音楽なんか耳に入れないし、絶対好きにならない。

出かける前に添加物でもなんでもいいから食べて、お風呂に入ろう。