銀杏

時々、私は今の会社に全然ふさわしくない人間なんじゃないかと思うことがある。新入社員代表で挨拶をするなんてちゃんちゃらおかしいくらい。日曜日の夜は、やっぱり苦手だ。明日からまた、会社用の私にならなければいけない気がしてしまう。明日になってしまえば、そんな感情も麻痺して、ただひたすら疲れてぐっすり眠れるんだろう。そんな風に平日を過ごしていると、土日に溢れそうな私の自我はどこに行くんだ?これまで銀杏BOYZを聴かなかったのは、怖かったから。大学生だったときに完全にこじらせてしまって今もそのままになっている自分のことを、思い出してしまう気がしたから。かまってちゃんのぺんてるという曲に、どうしようもない、大人になりました、という歌詞があって。その歌詞が、どうしても頭から離れないんだ。私は、私は私は私は。もうみんな悩み終わって乗り越えたところで、私はまだまだつっかかっていて本当は少しも前進していないのに、さも達観したような振る舞いをしてしまう。そういう、全然自分に自信がない自分に蓋をして社会人然として生きている自分に、時々吐き気がしていることに、銀杏BOYZを聴くと思い出してしまいそうで怖かった。そういう音楽だから。そしてそこが多分峯田さんの魅力だから。の子も。落ち込みが激しくなるのは、生理のせいだけじゃなかった。ピルを飲んでも、しょうもない自分を前にするとひどく落ち込む。だいさんが歌ってたエンジェルベイビーが忘れられなくなってしまった。私は音楽で救われているんだろうか。そんな、たった一曲で、こんなにボロボロになるなんて。こんな自分のままで、会社になんか行けるわけがない。もう全てが邪魔だ。私は、ただ淡々と仕事がしたい。確実に幸せを積み上げたい。彼氏を一番に愛していたい。そんなのに振り回されたくない。そんなのに振り回される自分の弱さが大嫌いだ。10代のようなこじらせ方をしている場合じゃない。どんなに書いても3000字には届かないよ大森さん。そのまま、置き去りにしてきた自分がまだ弘前でうずくまっている。それを社会人になって発動してしまったら、と思うとゾッとする。どこにも、居場所がなくなってしまう。それが怖い。