風が冷たい

学生生活もあと半年を切った。前期授業は4月から始まって8月には終わる。それまでは卒業なんてまだまだで、ゼミの発表内容もそんなに充実してなくてもいいやと思っているけど、夏休みが終わるとあら不思議、後期授業が始まる10月にいつの間にか突入している。9月と10月の間、絶対時空が歪んでると思うほど、終わりがすぐ目の前に来ていることを気づかされる。

前期の始まりほど浮足立たず、1年生も大学の雰囲気に大分慣れてきた様子の学食前や、学部の建物内を歩いていると、今自分が学部生に戻れたらとか、大学に入る前に期待してたこと全部やり切れたらどうだったかとか、考えても仕方のない逡巡に陥ることがよくある。私がそうしなかったんだから、もしそうしたらなんてことは永遠に無くて、それをそのとき実現させたかもしれない自分は頭の中の幻でしかない。

学生は進路選択の度に、この先の人生を見誤りたくない一心でどうするかを真剣に悩むが、もしかしたらそれは後々の自分にはあまり大きな影響がないかもしれない。結局、今自分が死んでいないという事実から、このジャングルを選んで間違いではなかった程度の確かめようしかないのだろう。そうは言っても日本はまだまだ学歴社会の根が深いので、国立大学を出たかどうかでその選択肢自体が自分の人生を豊かにするための手段として浮上するかわからないような、選べる権利を持てる特権は絶対にあると思う。そのことの重要さを身を以て教えてくれた親には、感謝しかない。それだけでも、そして最終的に実績のある企業に就職できたのだから、十分この大学に来た意味はあったかなと思う。

もう6年間も大学にいるのだから、これから卒業までの半年間、とりわけ頑張ることは特に思いつかない。自分の持ち場の役割を果たすことと大事な人と仲良くすること、これまで気をつけてきたことを同じようにこれからもやるだけだ。